外は秋も過ぎようとしている11月の中旬。
冬の足音が聞こえ始めた頃のことです。
その日、私の小さな胸は朝からウキウキでした。

私が生まれたのは新緑の季節。
誕生日だというわけではありません。
学校で特別な行事がある時期でもありません。
お客さんが来るわけでもなければ、
どこかにお出かけする予定があるわけでもありません。
もっともっと特別な日なのです。

当時、私は7歳の小学校一年生。
緑鮮やかな季節に産声を上げて、7年と六ヶ月。
七五三のお祝いの日だったのです。

誕生日は年に一度やってきます。
学校の行事も毎年あります。
お客さんが来たりお出かけしたりする日も胸は弾みますが、
それと今日の気持ちとはワケが違います。
七五三をお祝いしてもらえるのは、一生に一度のこと。
今日だけのことなのだから。

生まれて始めて、着物を着せてもらいました。
キレイなキレイな着物。それを目の前で見るだけでもワクワクするのに、
自分が着せてもらえるなんて嬉しいに決まっています。

そしてお化粧をしてもらうのも、その日が初めて。
お母さんがお化粧する姿を、いつも隣で憧れながら見ていました。
お化粧に興味津々の私に、
お母さんが口紅をちょっとだけ引いてくれたことはあります。

でも、本格的なお化粧なんて今までしてもらったことはありません。
本格的といっても7歳のこどもにするものなので、わずかなもの。
それでもとても嬉しかったのです。

だけど一番嬉しいことは、他にありました。
着物の着付けもお化粧も、してくれるのは全部おばあちゃん。
おばあちゃん大好きの私にとってそれが何よりの喜び、そして自慢でした。

おばあちゃんが着せてくれた着物なんだよ。
おばあちゃんがこのお化粧をしてくれたんだよ。
そう言いながら、町中を歩きたかった。

今でもそのときの写真を見るたび、
ちょっとだけ誇らしい気持ちになります。

実家で写真を見ているときに、母親からネット回線について質問されました。
とうとうネットを引くらしいです。
頼まれて調べたら、光ネクストの回線はとても速いんですね。
母は携帯を使えないのですが、PCはすこしいじれます。
PCで孫にメールを送るのを楽しみにしています。
母もすっかりおばあちゃんなんだなと思います。

Written on 1月 17th, 2012 , 日記

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